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知っておきたい 口腔ケアの重要性

口腔ケアの重要性
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こんにちは!緩和ケア医のみちるです!

あまり知られていないかもしれませんが、がんは治療中も治療が終わった後も、口の中の環境が悪くなりやすいものです。多くのがん患者さんにとって、口の中の問題は避けて通れないものと言えます。

今回の記事では、口腔ケアの重要性と、おすすめの口腔ケアグッズについて解説します。

この記事でわかること
  • がん患者さんはなぜ口の中の環境が悪くなりやすいのか?
  • 口腔ケアをするとどんな良いことがある?
  • 自宅でも使える口腔ケアグッズは?

では解説していきます。

口の中の環境が悪くなりやすい

がんは治療中から治療が終わった後も、口の中の環境は悪くなりがちです。そうなる要因は、さまざまです。

口の中の環境が悪化する要因
  • 口内炎
  • 口腔粘膜炎
  • 唾液量の減少
  • 腫瘍からの出血、感染
  • 嘔吐
  • 入れ歯が合わなくなる

など

口内炎

口内炎は健康な人でも起こる通常の口内炎のほか、がん患者さん特有の原因としてはヘルペスウイルス、カンジダというグループの菌(正確には真菌)、歯肉への細菌感染などがあります。

これらによる口内炎の多くは、適切な口腔ケアを継続していれば予防できます

口腔粘膜炎

口内炎と名前が似ていますが、口腔粘膜炎というものがあります。これは、抗がん剤による粘膜炎と考えてください。

口腔粘膜炎は抗がん剤治療中は基本的に続くため、痛み止めや麻酔薬が含まれているうがい薬を使いながら、口腔ケアを継続することが大切です。

唾液量の減少

唾液量が減少することは多く、特にがん終末期ではほぼ必ずと言っても良いくらいです。これは衛生面・食事・会話などの日常生活にも無視できない影響を与え、口渇にもつながります

朝9時過ぎに患者さんのお部屋へ行くと、起きたばかりで水を一口飲んでから話し始める方がよくいらっしゃいます。舌と口の中の粘膜がくっついているため、水を少し飲まないと喋れないのです。

体調が悪くなっている中で口渇が強まると、話す方はうまく喋ることができずイライラし、聞く方も聞き取れない箇所が増えてしまいます。その結果、コミュニケーションがうまく取れなくなり、お互いにストレスが高まりがちです。

唾液の減少は、実に多くの要因が重なることで起こります。例えば、放射線治療、薬剤、食事量の低下、脱水などです。

抗がん剤を投与すると、数日間吐き気が強くなったり食欲が低下します。さらに長期的には味覚が変化することも多くあり、これも食欲が減る原因になります。

口の中のがんに放射線治療を行う場合、唾液を出す正常な細胞にもどうしても放射線が当たってしまうため、唾液が出なくなってしまいます。口の中のがんの場合、抗がん剤治療も一緒に行うことが多くあるため、口腔粘膜炎とのダブルパンチで口の中の環境が悪くなります。

その他の要因

薬剤も唾液の分泌を減らす作用のあるものが数多くあります。がんの痛みを和らげるために用いる医療用麻薬も、唾液の分泌を減らす効果があるのです。医療用麻薬については、こちらの記事もぜひご覧ください。

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また、体のだるさが増したり病状の進行で食欲が落ち始めると、それらを改善させるためにステロイドが使用されることが多くあります。ただし、ステロイドを長期間使用していると、先ほど述べたカンジダという菌が増えすぎてしまい、口渇や口の中の痛みの原因になることがあります。

がんの種類やがん治療、病状によっては吐くこともあります。吐くと胃酸で口の中の粘膜が傷みます。それが繰り返されると、その分口の中の環境は悪化します。

入れ歯を使用しているなら合っているか要確認

高齢者の場合、入れ歯が合っているかも忘れてはなりません。合わない入れ歯を使用し続けていると痛みや出血につながり、食事量の低下に直結します。

また、がんが進み痩せてくると、入れ歯が合わなくなっていきます。合わないからといって新しい入れ歯を作っても、完成した頃にはさらに痩せが進み、悲しいことにせっかく作ったのに合わなくて使えない、ということがしばしば起こります。

みちる
みちる

皆さんの中でも、歯の痛みや口内炎があると、普段何でもない食事がものすごく大変に感じた経験のある方は多いのではないでしょうか?

継続した口腔ケアが大切

このように、がんは治療中も治療が終わった後でも、実に多くの要因で口内環境を悪化させるものです。

そのため、口の中をきれいにする口腔ケアが欠かせません。口の中がきれいだと、さまざまな良いことがあります。

口の中がきれいだと良いこと
  • 口内炎の予防ができる
  • 口腔粘膜炎の症状の軽減につながる
  • 喋りやすくなる
  • 味覚の変化や食欲の低下を少しでも抑えられる
  • 口の中がさっぱりする

口腔粘膜炎は厄介で、「これをすれば治る!」という方法はまだ確立されていません。痛み止めや麻酔薬が含まれているうがい薬を使用し口腔ケアを行い、粘り強く付き合っていかざるを得ません。

口腔ケアを丁寧に継続すれば、口渇により喋りづらくなることをある程度抑えることができます。人とのコミュニケーションを保つ上でも、大切なことです。

口腔ケアが不十分なことが食欲の低下を招いているなら、口腔ケアで少し食欲が戻るかもしれません。

このように、口腔ケアはさまざまな点において大切です。そして一度行えば良いものではなく、継続することがさらに重要です。

口腔ケアに関わる職種

口腔ケアによく関わる職種は複数あります。

  • 歯科医師
  • 歯科衛生士
  • 看護師
  • 言語聴覚士
  • 介護職員

などです。

歯科医師や歯科衛生士に診てもらうことも大切です。体調の関係で受診が難しい場合は、自宅に歯科医が来てくれる訪問歯科のサービスを行っている歯科医院もありますので、相談してみましょう。

看護師、言語聴覚士(飲み込む力のリハビリを専門とする職種)、介護職員も口腔ケアをサポートしてくれる存在です。

口腔ケアは体調がおおむね問題なければご自身で行いましょう。難しくなってきたら、周りの人に手伝ってもらうと良いでしょう。

在宅療養中は医療や介護スタッフではなくご家族が口腔ケアを担う場面もあると思います。そこで、歯ブラシ以外にも役立つ口腔ケアグッズをご紹介します。

口腔ケアおすすめグッズ3選

これまでお話ししたように、がん治療中も治療が終わった後も、さまざまな要因で口の中の環境が悪くなります。そのため、歯ブラシだけでは時として歯茎や口腔粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。

そこでおすすめなのが、この3種類の口腔ケアグッズです。

口腔ケアグッズおすすめ3選
  • スポンジブラシ
  • ジェルスプレー
  • リップクリーム

スポンジブラシ

スポンジブラシは、多くの方にとって馴染みがないかもしれません。終末期や介護の現場では必須アイテムです。看護師が使うことが多いですが、使い方を教われば介護をされるご家族でも使える方はたくさんいらっしゃいます。

スポンジブラシの特徴は、この3つです。

  • 口腔内の環境が悪くても口の中を傷つけにくいため、安全で優しい使い心地
  • 痰のこびりつきを拭うのに最適
  • 好きな飲み物を浸して口腔内を拭うこともできる

がんが進み体調が低下していくとご自分で痰を口の外に出せなくなっていきます。そのような時にスポンジブラシは口の中や舌にこびりついている痰を拭うのに最適です。

終末期に向かうと飲み込む力が低下するため、これまでのように水分をゴクゴク飲めなくなります。ご本人は「飲み物が飲めない、でも飲みたい」、ご家族は「少しでも飲ませてあげたい」という気持ちになります。

その際に、介護者がスポンジブラシに好きな飲み物を浸して少し絞り、口の中を拭います。すると、飲み物の風味や味を少し楽しむことができます。さらに、飲み込めずに喉の奥に溜まってしまい、苦しくなることも防げるので安全です。

ジェルスプレー

口の中の保湿のために使用します。「水分を飲んでもすぐに口が渇いてしまって・・・」ということは多くあります。

そのような時にジェルスプレーを口の中に吹きかけると、口の渇きが抑えられます。

一回使えば何時間も効果が持続するものではありませんが、試す価値はあります。

リップクリーム

くちびるの保湿に使用します。ドラッグストアなどでお好きなものを購入し、使いましょう。

番外編

口腔ケアとは少し異なりますが、

  • ガム
  • あめ玉
  • クラッシュアイス

も時期によっては効果的です。

ガムとあめ玉は、「体調はそれほど悪くないけれど、唾液が減って口の渇きが気になる」という場合に有効です。ガムを自分で噛める・あめ玉を舐められる・飲み込む力に問題がない方は、ぜひ試してみましょう。

クラッシュアイス(氷片)は、がん終末期の場面でよく使われます。食欲や飲み込む力が非常に低下している方でも、クラッシュアイスなら少し食べられることはよくあります。

ご本人は口の中が少しさっぱりしますし、病状が進み食べられないことに辛さを感じているご家族も「少し食べてくれた!」と思って頂けることがよくあります。

みちる
みちる

ガリガリ君®や、ICEBOX®は、看取り期では必須アイテムと言っても過言ではない商品です。

口腔ケアの注意点

ここまで口腔ケアが大切なことについて述べてきましたが、注意点が一つあります。

それは、体調が低下し他人に口腔ケアをされる場合、ご本人がそれを不快に感じることがある点です。

口の中が不衛生な状態と、口腔ケアをされることのどちらが、ご本人にとってより不快なのかは人によりけりです。

看護師や医師は「口の中をきれいにしたいなあ」と思っていても、いざきれいにしようとするとご本人が強く嫌がってしまうためきれいにできない、という場面はよくあります。そのような時は、無理に口腔ケアを行わないというのも現実的な選択肢です。

まとめ

いかがでしたか?

本日のまとめはこちらです。

  • がんは治療中でも治療終了以後でも、口の中の環境が悪くなりやすい
  • 原因は口腔粘膜炎、唾液の減少など多岐にわたり、重なることも多い
  • 継続した口腔ケアで口の中の衛生を保つことが大切
  • スポンジブラシは口の中を優しくきれいにできる
  • ジェルスプレーは口の中、リップクリームは唇の保湿に効果的

ここまでご覧いただき、ありがとうございました!

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