【徹底解説】緩和ケア病棟での過ごし方の実際

緩和ケア病棟での過ごし方の実際
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こんにちは!緩和ケア医のみちるです!

緩和ケア病棟がどのようなところなのか、「緩和ケア病棟の特徴①」、「緩和ケア病棟の特徴②」で解説しました。

今回は緩和ケア病棟での過ごし方の実際について、もう一歩踏み込みます。

今回の記事を読めば、緩和ケア病棟がどのようなところなのかさらに理解が進むでしょう。

起床・消灯・配膳

病気の進行とともに目覚めが悪くなることが多いため、起床時刻はあってないようなものです。

全身状態がある程度落ち着いている方には、朝食の配膳時刻前後に患者さんに声をかけることが多いでしょう。

しかし、徐々に食事を提供した時刻に食べられなくなっていきます。

病院では衛生管理上、配膳した食事は2時間以内に下膳しなければならず、何時間も置いておくことができません。

みちる
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ときどき「2時間を過ぎても下膳しないで欲しい」と希望される方がいますが、現実的には難しいことが多いです。

食事を配膳したのに食べられずに下膳することが増えてきたら、ご本人やご家族と食事を提供し続けるかどうか相談することになります。

「食べられないのに食事を出し続けるのはもったいない」、あるいは「費用が増えるだけなので困る」と考えて食事の中止を希望される方もいれば、「食べられなくても良いから毎食出してほしい」と考える方もいます。

考え方は人によりさまざまです。それぞれの考え方やそのように思う背景を踏まえ、どうするのか決めていくことになります。

消灯は21時ごろですが、これも体調によってはその前に就寝される方もいます。

反対に、もともとの生活習慣として遅起き・遅寝の方の場合、消灯時刻を遅めにしてくれることもあります。

全身状態や生活習慣、ご本人の希望を踏まえた対応になります。

入浴・清潔ケア

体調が悪くなると体力的にも気力的にもシャワーや入浴の回数が減り、ご自分でからだをきれいにすることが難しくなってきます。

自宅で過ごすことが難しくなり入院された時、「1か月間シャワーも入浴もできていなかった」ということは決して珍しいことではありません。

緩和ケア病棟では、からだの衛生を保つことは重視していることの一つです。

全身状態が悪くても、介助で入浴していただくことが可能です。

看取りが非常に近く、入浴中に呼吸が止まるかもしれないほど全身状態が悪い時でも、ご家族に確認の上、ご希望があれば入浴は可能です。

全身状態に合わせられる3種類の浴室

緩和ケア病棟の浴室は、主に3種類あります。

  1. 普通の浴室
  2. 介助があれば、シャワーを浴びたり入浴できる方向けの浴室
  3. 最も全身状態が悪い方向けの浴室

どの浴室を使用するのかは、全身状態や患者さんのご希望などをすり合わせ選択します。

①は体力的に一人でシャワーを浴びることができる方向けの浴室です。

②と③は両方とも、スタッフがお手伝いするタイプの浴室です。

②は普通の浴室に似た形ですが、スタッフが介助しやすい作りになっています。スタッフもお手伝いしますが、ある程度はご自分でも行なってもらう必要があります。

③は横になったままでもシャワーや入浴できる構造になっています。ご本人がからだを洗う動作をする必要はなく、すべてスタッフが行います。一般病棟にはないタイプの浴室です。

複数の浴室があることで、どのような状態でもからだをきれいにして過ごしていただくことが可能になります。

シャワー・入浴の頻度

緩和ケア病棟での介助による入浴は週2回が基本ですが、週1回の場合もあります。

介助による入浴は、毎日してもらえないのですか?

みちる
みちる

残念ながら、緩和ケア病棟でもそれは難しいところです。

緩和ケア病棟ではからだの清潔を保つことを重視していると言っても、介助による入浴を毎日行えるわけではありません。

入浴以外の日は体拭きを行います。

その他の方法として、手浴・足浴があります。からだの清潔というよりも、リラクゼーションの意味合いが強いかもしれません。寒い季節には、手浴や足浴だけでも気持ち良く感じていただけます。

肌や口腔の保湿

肌は乾燥しやすく、弱くなります。

栄養状態が悪化していくことや、患者さんによっては病気などの影響で出血しやすくなることから、少しぶつけただけで青あざができたり、皮膚が切れたりします。

そのため、入浴や体拭きの後には保湿を丁寧に行います。

口腔の保湿については「口腔ケアの重要性」で解説しているので、ご覧ください。

過ごしやすい居室づくり

緩和ケア病棟では、ご本人が楽に過ごせる環境づくりを重視しています。

  • 好きなものを持ってきてもらう
  • 好きな音楽をかける
  • 写真をオーバーテーブルや床頭台におく、壁にかける

読み物は、本、雑誌、脳トレなど持参される方は多いですね。

お気に入りのぬいぐるみや、ご家族の写真・旅行に行ったときの写真を持参される方も多くいらっしゃいます。

みちる
みちる

中には、昭和初期ごろに撮影されたご両親の写真を持って来られる方もしばしばいらっしゃいます。今まで大事に保管してこられたことにいつも驚かされます。

出張散髪サービス

体調的にご自分で床屋や美容室に行けない場合、病院内外の理髪店による出張散髪のサービスをご利用いただけることがあります。

費用は、健康保険の対象外なので自費となります。

髪が伸び放題だった男性の場合、散髪されるとみなさん見た目も気分もさっぱりされますね。

季節のイベント

緩和ケア病棟では、イベントが開催されることがあります。

例えば、節分には豆まき、3月には雛人形を飾ったり、クリスマスにはサンタに扮したスタッフが病室に回ってきたり、などです。定期的にピアノやバイオリンなどの音楽イベントが開催されるところもあります。

緩和ケア病棟も含め、入院するとどうしても普段の生活や行事から切り離され、病気のことに意識が向きがちになってしまいます。

普段の生活や社会とのつながりを少しでも感じてもらえるよう、ボランティアさんの力もお借りして、このようなイベントが行われます。

イベントの内容は、緩和ケア病棟によりさまざまです。

緩和ケア病棟によっては、ボランティアさんの数が多くないところもあります。

病気のことを忘れられる時間を持てることは、たとえ短い時間であっても気分転換になるものです。

このようなイベントには、ご本人とご家族が一緒に参加していただくことも可能なので、ご興味があれば参加してみてはいかがでしょうか?

体調や気分が良くない時はイベントに参加しないことも可能なので、負担に感じるならば断っても問題ありません。

外出・外泊のルール

外出・外泊のルールは、緩和ケア病棟により大きく異なります。

外出・外泊できるところであっても、主治医の許可が必要なことや、ご家族の付き添いが必要なことは共通しています。

外泊の場合、何泊まで可能なのかも病棟により異なります。外泊を検討している場合は、事前に病棟に確認しておくとよいでしょう。

また、外泊の回数に制限がある場合もあるため、併せて確認しておくとよいでしょう。

面会のルール

ここからは、主にご家族に関係する内容になります。

面会は、病院や緩和ケア病棟によりルールが大きく異なる部分です。

確認しておきたい項目は、以下の4点です。

  • 面会時間
  • 面会の人数制限
  • 小さい子の面会が可能か?
  • ペットの面会は可能か?

面会可能な時刻や、面会の人数制限があるなら何人までなのかなど確認しましょう。

未就学児、もしくは小学生以下は原則として面会できない病院もあります。その子とご本人の関係性が強い場合、面会できないとお互いにとって辛いことになってしまうため、そのような小さいお子さんがいるご家庭では押さえておきたいポイントになります。

また、ペットを飼っている方にとっては、ペットと会えるのかは非常に重要な点です。

ペットと長年一緒に暮らしてこられた方にとっては、ペットは家族の一員です。

ペットとの面会が不可のところもあれば、面会できるとしても病室ではなく屋外のみということもあるため、面会可能な場所も確認が必要です。

みちる
みちる

入院して少し日が経ちペットの犬と会ってもらうと、普段はおとなしい(と聞いていた)犬が「どこからそんな声が!?」というような声で鳴き始めることを、しばしば経験します。犬も何かと感じているとしか思えません。

また、ご本人の体調が低下してくると、日中も眠っていることが増えてきます。

面会しに行ったのにご本人とあまり会話ができない」ということもあるので、念頭に置いておくと良いでしょう。

夜間の付き添いと家族室

緩和ケア病棟には家族室が必ずあります。空いていれば、ご家族が休んだり、夜間に泊まることができます。

また、折りたたみベッドを借り、病室でご本人と一緒に寝泊まりすることもできます。

折りたたみベッドは通常は追加料金が発生するため、費用も確認しておきましょう。

ご家族の生活と病院からの連絡

ご本人の体調が変わったときに、ご家族は病院から連絡が来る可能性があります。

親族の病状、ご自身の仕事や職場への負担、生活、お金のことなど、ご家族にかかる負担も強くなります。

ご家族のお仕事によっては、電話に出られないという場面あるでしょう。

電話に出られる時間帯や曜日などを、病棟スタッフに伝えておきましょう

急な早退や欠勤がどの程度可能なのかは職場によって異なりますが、可能であれば、親族の体調が悪いことを職場に伝えておくのがよいでしょうです。

また、第一連絡先が高齢の配偶者やご兄妹の場合、夜間の連絡は避けてほしいと希望される方がいらっしゃいます。

体調の点で夜間の電話で起こされるのが辛い、連絡があっても夜間は移動手段がなく病院に向かえない、というケースなどです。

ご家族の状況により柔軟に対応していただけると思いますので、ご家族への連絡で希望がある場合はスタッフに伝えましょう。

まとめ

今回は、緩和ケア病棟での生活について解説しました。

緩和ケア病棟に共通していることと、病院により異なることがあります。

苦痛を和らげること、からだをきれいにすること、ご本人が楽に過ごせる環境を作ることなどは概ね共通しています。

外出・外泊や面会のルールは緩和ケア病棟により異なります。

特に、ご家族にとっては、病院からいつでも連絡がくる可能性があり、毎日の生活や仕事に大きく影響を及ぼします。

緩和ケア病棟を選ぶ際に重視している点があれば、事前に確認しておくとよいでしょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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