緩和ケア病棟の費用について解説

緩和ケア病棟の費用
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こんにちは!緩和ケア医のみちるです!

皆さんは、

「緩和ケア病棟はお金がかかる」

あるいは、

「緩和ケア病棟は個室が多い」+「個室はベッド代がかかる」

=「緩和ケア病棟はお金がかかる」

そんなイメージをお持ちではありませんか?

結論を述べると、緩和ケア病棟だから特別にかかる費用は、ほとんどありません

緩和ケア病棟利用時に知っておきたい主な費用は、

  • 医療費
  • 緩和ケア面談の費用
  • 差額ベッド代

この3つです。

誤解しやすい点も含め、今回の記事では、緩和ケア病棟にまつわる費用について解説します。

医療費

まず大事なこととして、緩和ケア病棟は病院にあるものです。

そのため、医療保険が使用され、介護保険は使用されません。

医療保険が使用されるので、医療費は医療保険の自己負担限度額までとなります。

また、医療費のうち自己負担限度額を超えた分は高額療養費制度の対象です。マイナ保険証を使用しているなら、高額療養費制度の対象となった医療費は窓口での支払いがありません。

よくある誤解として、緩和ケア病棟を介護施設や有料老人ホームと勘違いされている方がいらっしゃいます。また、緩和ケア病棟を「ケアハウス」と呼んでいる方にもたびたびお会いしますが、ケアハウスは福祉施設の一つです。

緩和ケアは病院でも在宅でも受けられますが、緩和ケア病棟は病院にあるものです。こちらの記事も参考にしてください。

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緩和ケアは馴染みがなければ紛らわしい点が多いですが、緩和ケア病棟での医療費は、一般的な入院と同じ仕組みで計算されることを押さえておきましょう。

緩和ケア面談の費用

これが、冒頭で述べた「緩和ケア病棟だから特別にかかる費用」です。

緩和ケア病棟に入るには、あらかじめ緩和ケア病棟のスタッフとご本人やご家族が面談を受けておく必要があります(ここでは緩和ケア面談と表記していますが、名称は病院により異なります)。

そして、この面談の費用は病院により異なります

参考までに、大阪府内の緩和ケア病棟では、

  • ご本人が面談に同席すれば保険診療(外来受診と同様の扱い)
  • ご家族のみなら自費(約3,000円〜5,000円)

のところが多いようです。面談費用が無料の病院もありますが、数は非常に限られています。緩和ケア面談は費用が発生すると考えておきましょう

(注:2026年4月時点、大阪府内の緩和ケア病棟のある24病院のホームページを閲覧し調査)

緩和ケア面談の日時を調整する際に、地域連携の担当者などに費用を問い合わせると教えてもらえると思うので、確認しておくことをおすすめします。

差額ベッド代

これは医療保険の適用にはならないため、自費となります。多くの病院では、個室を利用すると差額ベッド代が発生します。「入院して個室を利用したら、ベッド代がかかる」というのは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

緩和ケア病棟は、規定により緩和ケア病棟の病床数のうち、病院が差額ベッド代を設定してよいのは半分以下と定められています。例えば、20床の緩和ケア病棟なら10床まで、15床なら7床までしか、個室料金を設定してはいけないのです。

つまり、緩和ケア病棟の病床数のうち半分以上はベッド代が発生しないということです。

もう一つ押さえておきたい点があります。差額ベッド代が発生しないベッドが大部屋(総室)のみなのか、個室もあるのかは病院により異なります

以下の2パターンのどちらかであることが多いです。

  • 大部屋はすべて差額ベッド代なし、個室はすべて差額ベッド代あり(=有料個室のみ)
  • 差額ベッド代のない個室(=無料個室)も、ある個室(=有料個室)もある

無料個室も有料個室もある場合、有料個室の方が設備面は良いことがほとんどです(無料個室よりも広い、ソファーやテーブルがあるなど)。

差額ベッド代の金額とどのような部屋なのかは病院により異なるため、緩和ケア病棟への入院を考えているなら、これらを事前に確認しておくことをおすすめします。

緩和ケア面談を受けると、その後に緩和ケア病棟の見学ができる病院は多いと思います。もし空いていたら病室を見ることも可能なので、面談後の病棟見学は行うことをおすすめします。

その他の費用

食事代・おむつ代・文書作成料・テレビカード代なども、一般的な入院と同様に医療保険の対象外となります。

緩和ケア病棟に入り、トイレに行くのが難しくなった場合におむつをご使用いただくことはよくありますが、おむつはご家族に購入していただく必要があります。

先ほど、緩和ケア病棟では介護保険は使用されないと述べましたが、その関係でおむつ代は自費になります。介護施設では介護保険からおむつ代が支給されますが、医療保険では対象外であることに注意が必要です。

緩和ケア病棟に入院するとおむつ代が実費になり、驚かれる方がいらっしゃいます。紛らわしいポイントの一つですので、押さえておきましょう。

なお、亡くなって退院された方のご家族から「もう使わないので」と、余ったおむつを寄付してくださることがあります。そのように頂戴したおむつは病棟で保管し、いざという場面で使用させていただくこともあります。もちろん、その際に費用をご負担いただく必要はありませんが、あくまでも緊急的な対応ですので、継続的に無料でご利用いただけるわけではない点はご承知おきください。

テレビカード代については、一部の個室(特にグレードの高い特別室など)では差額ベッド代に含まれていることもあります。

まとめ

緩和ケア面談を行っていると、費用面を質問される方は決して少なくありません。むしろ、緩和ケア病棟がどのようなところなのかよりも、費用の方を心配されている患者さん・ご家族の方が多いかもしれません。

全ての緩和ケア病棟に共通していること
  • 緩和ケア病棟では医療保険が使用される
  • 緩和ケア病棟のベッドの半分以上は、差額ベッド代が発生しない
緩和ケア病棟により異なること
  • 緩和ケア面談の費用(3,000円〜5,000円はかかると思っておく)
  • 差額ベッド代の発生しない個室がある病院もある(ない病院もある)

今回の記事で、緩和ケア病棟の利用にあたり費用の心配が少しでも和らぎ、あるいは病院スタッフに詳細を聞いてみようと思っていただけたら幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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